第119章

相手のLIME名は「N」で、アイコンは黒いスーツだった。

山田澪がもう少しプロフィールを見ようとしたところ、相手から先にメッセージが届いた。「こんにちは、訴訟のご相談でしょうか?」

これでプロフィールを見る必要もなさそうだ。この人は弁護士らしい。

山田澪が返信しないでいると、Nはさらにメッセージを送ってきた。「このアカウントは知っている人も少ないので、どなたかのご紹介ですか?喜んでお手伝いします」

山田澪は指が少し震えた。この人の熱心な様子は、むしろ凄腕の弁護士には見えない。

彼女は急いで返信した。「ご相談したいことがあるのですが、お名前は?」

「N、工藤真一です」

山田澪は彼...

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